2025年6月29日、名古屋市中区のハートフィールドギャラリーへ「西村一成展- 東谷山を描く」を観に行きました。東谷山は、私も行ったことがあり好きな山のひとつです。調べると〝熱田神宮の奥の院として古くから信仰を集めた霊山〟で、山頂には「尾張戸神社」が鎮座しているとありました。 写真:西村一成《東谷山フルーツパーク2024年作》
映画「かいじゅう」の西村さんはなぜ描くのか。

西村一成《暗雲立ちこめて》2015年
西村一成さんは、2024年に公開された映画「かいじゅう」で全国的に注目された。1978年生まれで愛知県在住。独学で20歳頃から絵を描き始め、自宅でときにうなり声をあげながら日々絵を描くという。作品はシェル美術賞など多数が入賞受賞している。
「描くことについて」というタイトルで書かれた、西村さん自筆エッセイの一部を紹介する。
「僕は日々ひたすら絵を描き続けている。呼吸し、食べ、排泄し、眠るのと同じようだ。線は僕の肉体の延長としてうねり、色は僕の精神の明滅を激烈に映し出す。それは世界との直感的な交錯によって瞬発的に繰り出される。描き上げた末に僕は疲れ果てて倒れ込む。そのとき絵は、僕と不可分な、一人の人間のナマの姿だ。しかし決して個人的な表現として完結はしない。」
彼の根源的な創作衝動を少しでも分かりたい。
西村さんは、14年前から東谷山に住んでいる。霊山・東谷山から波動が伝わり、その波を感受して、絵に表現しているのか。西村さんの根源的な衝動を少しでも分かろうと、それぞれの作品の前で何度も立ち止まりながら鑑賞しました。

西村一成《日本武尊》2015年

西村一成《希望と絶望のオレンジ-東谷山に宿る妖精たち》2014年
スタッフ/広瀬由利子(nickname:ゆりば)二世帯同居で、孫育て中です。
西村一成さんの作品と向かい合うと彼の感情が圧倒的な迫力でこちらに迫って来る。時には息苦しくなるほどに。しかし今回の”東谷山”の作品群では内なる爆発というより、彼と東谷山との心のつながりが感じられて興味深い。
展覧会場や作品の写真を見て、解説を読むと、どの展覧会にも行きたくなります。次回はどんな作品が紹介されるのか、楽しみです。
西村氏作品 【希望と絶望のオレンジ】かなり気に入りました。極言すると《全て表裏一体》。オレンジ色表現と拡大苔?!芽?!食虫植物もどき?!のグリーン色。
映画かいじゅう 諏訪湖でロケとの事。諏訪市出身ホーム入居人と鑑賞。奥深い?人心は怪獣?薦めたい作品では有りませんでした。
久々拝読。有り難うございます🙇
由利子です。【希望と絶望のオレンジ】は、私も好きな作品のひとつです。〝希望と絶望は表裏一体〟まさにその通りですね。この作品を見ていると、西村さんと心が少し繋がるように思えます。
由利子です。西村さんの作品展をずっと追い続けている横山さんの言葉は、私の心に響きます。西村さんは命を削るようにして絵を描き続けてきたのですね。今回の「東谷山を描く」展は、〝彼と東谷山との心のつながりが感じられて興味深い〟とのこと。今住んでいる東谷山は、熱田神宮の奥の院として古来から信仰されてきたそうです。何かが彼の心を動かしたのかもしれないと思いました。