長野発→現代アートの新種になるか?

2023年の夏。猛暑の中を長野県・軽井沢にある酢重ギャラリーに立ち寄りました。お目当ては、現代アートの若手作家・上田暁子さんの個展です。日本とベルギーを行き来して作家活動をする彼女は、日本の美大を卒業後にベルギー王立芸術大学の絵画科と石版画科修了し、受賞も多数。しかし、上田さんの顔は別方向を向いている。そのテーマは「重層的な時間」・・・。写真:上田暁子《新種になるか否かの午睡》リネンに油彩

上田暁子《外外野手》と上田暁子さん

“重層的な時間”とは?

過去から未来という単なる時間の流れとは違うようです。上田さんのなかで、その時間はどのようなかたちで存在するのでしょう?

酢重ギャラリーのギャラリスト・寺山さんが言う言葉にヒントがあるかもしれません。「上田さんが育った小諸に古い野球場があって、たびたび彼女の絵の中に登場する。そこから彼女の心の中に入ることができるかもしれない」と。その球場は雑草だらけで歪んだバックネットがあり、薄暗い照明に照らされている。その頃から時が経っているのに、なぜ上田さんの記憶に浮かび上がってくるのだろう。

上田暁子《絵空事から生えるあし》

私自身の“重層的な時間”・・・

そういえば私自身も、小学校時代に育った家の前を流れる小川が、記憶の底から浮かび上がることがある。現実の出来事にからまるように浮かび上がってくる・・・これと似ているのだろうか。次に上田さんに会えたら話し合ってみたいですね。

スタッフ/広瀬由利子(nickname:ゆりば)二世帯同居で、孫育て中です。

上田暁子《笑う山と博士たち》

長野発→現代アートの新種になるか?」への2件のフィードバック

  1. 宮崎照美

    原風景は多分1人1人の深層に存在。小学時代由利子さん宅の小川、私くっきり覚えてます。

    返信

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