美術と風土ー作家は伊那谷から何を発見?

2023年10月、碧南市藤井達吉現代美術館へ、「アーティストが触れた伊那谷展」を見に出かけました。会場の碧南市は知多半島の海沿いの街・・・2時間かけて電車を乗り継いで降り立った碧南は、なんと!古い歴史がある寺町でした。この展覧会の作品は、近畿・東海・伊那谷で活躍する作家たちから20名を選び、実際に伊那谷を訪れてもらい、その印象を基に制作されたもの。古寺を望む会場で、伊那谷に思いを馳せながら鑑賞しました。 写真:梶川俊一郎《林檎 夢想》粘土

蜂谷充志《View2022-sentence of snow-》ラムダプリント、木の実、枝、木材、伊那谷樹木の灰

“伊那谷の風土”を“作家”はどう表現したか

野原都久馬《桜雲橋》和紙、岩絵具

「谷を歩き回り縄文遺跡や浄瑠璃などの文化に感銘」と梶川さん。「伊那谷から仰ぎ見る山脈の稜線が好き」と蜂谷さん。「自然の色が織りなす美しさは日本画に通ずる」と野原さん。「よく使う配色は、自分が育った伊那谷の色合いだと気付いた」と海野さん。制作の原点は、ピックアップした4人を含めて十人十色でした。

海野厚敬《FuKa》綿布にアクリル、油彩、木炭

作家と観る人をつなぐ美術館学芸員や画廊主が企画

2023年3月から10月まで、5つの展覧会場を巡った「アーティストが触れた伊那谷展」。作家、鑑賞者、そして両者を仲介する画廊主や作品解説をする学芸員たちが交流を深めて新たな流れを作っていく試みだと言います。私がよく行く展覧会は、こういった方たちが支えているんだなと実感!!

古寺を望む展覧会場

 

 

●碧南市藤井達吉現代美術館/藤井達吉は1881年に愛知県碧海郡で生まれた。晩年は郷土の工芸復興に尽力し、碧南では“郷土が生んだ近代工芸の先駆者” とされ功績を顕彰。

スタッフ/広瀬由利子(nickname:ゆりば)二世帯同居で、孫育て中。

美術と風土ー作家は伊那谷から何を発見?」への2件のフィードバック

  1. 宮崎照美

    かなり前から愛知は木曾三川・濃尾平野のお蔭も有って豊かな土地柄と考えてます。その地元に根差した微有名人の掘り起こし🌱とても重要・貴重と思います。楽しく拝見しました。

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